ダニエル書 4章18−28節
18) 「私ネブカドネツァル王が見た夢とはこれだ。ベルテシャツァルよ、おまえはその意味を述べよ。私の国の知者たちは誰も、その意味を私に告げることができない。しかし、おまえにはできる。おまえには、聖なる神の霊があるからだ。」
19) そのとき、ベルテシャツァルと呼ばれていたダニエルは、しばらくの間驚きすくみ、いろいろと思い巡りらして動揺した。王は話しかけた。「ベルテシャツァルよ、この夢とその意味のことで動揺することはない。」ベルテシャツァルは答えた。「わが主よ。どうか、この夢があなたを憎む者たちに当てはまり、その意味があなたの敵に当てはまりますように。
20) あなたがご覧になった木、すなわち、成長して強くなり、その高さが天に届いて、地のどこからも見え、
21) 葉が美しく実も豊かで、すべてのものの食べ物があり、その下に野の獣が住み、その枝に空の鳥が宿った木、
22) 王よ、その木はあなたです。あなたは大きくなって強くなり、あなたの偉大さは増し加わって天に達し、あなたの主権は地の果てにまで及んでいます。
23) しかし王は、一人の見張りの者、聖なる者が天から降りてきてこう言うのをご覧になりました。『その木を切り倒して滅ぼせ。ただし、その根株は、鉄と青銅の鎖をかけて、地に、野の若草の中に残せ。彼を天の露(つゆ)にぬれさせて、七つの時がその上を過ぎ行くまで野の獣と青草を分け合うようにせよ。』
24) 王よ、その意味は次のとおりです。これは、わが主、王に届いた、いと高き方の決定です。
25) あなたは人間の中から追い出され、野の獣とともに住み、牛のように草を食べて、天の露にぬれることになります。こうして、あなたの上を七つの時が過ぎ行き、ついにあなたは、いと高き方が人間の国を支配し、これをみこころにかなう者にお与えになることを知るようになります。
26) 木の根株は残せと命じられていますので、天が支配するということをあなたが知るようになれば、あなたの国はあなたのために堅く立つでしょう。
27) それゆえ、王よ、私の勧告を快く受け入れて、正しい行いによってあなたの罪を取り除き、また貧しい者をあわれんであなたの咎(とが)を除いてください。そうすれば、あなたの繁栄は長く続くでしょう。
28) このことはみな、ネブカドネツァル王の身に起こった。
(聖書 新改訳2017/©︎2017 新日本聖書刊行会)

ネブカドネツァル王はまたしても気になる夢を見て、その夢の解き明かしをベテルシャツァル(ダニエル)に命じました。
王は以前も同じように夢を見て、その内容までも忘れてしまったのにもかかわらず、夢の解き明かしを求めたことがありました。
そのときその夢の内容を語り、解き明かしをしたダニエルならば、今回も解き明かすことができる、と信頼していたのです。
王の見た夢の内容は4章10—17節で王自身が述べています。
ダニエルが解き明かしたこの夢の内容が、今日の聖書の言葉4章20—26節です。
ダニエルの解き明かしによれば、王が夢で見た巨大な木は王自身で、王は成功と繁栄の結果傲慢になり、そのため神の怒りをかって裁きを受ける、というものでした。
━━王は精神に異常を来たし、人間の中から追い出され、牛のようになって野をさまよい、雨風の中草を食べ、「7つの時」の間をさまよい歩く。
その間神が人間の国を支配し、その国を神のみ旨にかなう者たちにお与えになるということを知るようになる。
ただし、王が「神がすべてを支配なさっている」ことを心から認めるようになれば、再び王位に戻り、王国は滅びない━━
というものでした。
成功を収めて社会的な地位を得、物質的に恵まれて巨大な権力を手に入れたとしても、それらはすべて神の許しがあって与えられたものであることを、人は忘れてはなりません。
神のさじ加減一つですべてを取り上げられ、虫けらのようになってしまうこともあると、私たちはヨブの出来事から知ることができます。
ネブカドネツァル王に起こった出来事は、神の裁きと考えるよりも、神の愛と考えるべきです。
神はまずネブカドネツァルに悔い改めを迫りました。
神の声、神の警告に耳を傾けること。
〝聞く耳のある人〟になりましょう。

王は神を信じる信仰にまで至っていました。
それなのに神の警告を無視してしまったのです。
神の声に耳を傾ける人になりましょう。
〜【聞く耳のある者は聞きなさい】 ダニエル書 4章18−28節
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