アメリカには野球を用いた格言があるそうです。
「集中力がヒットを生み出し、知性が次の塁、セカンドへ進めてくれる。サードへ進むのは決断力であり、ホームへ戻って来るには努力と勇気が必要だ」という言葉です。
これは私たちの人生にそのまま当てはめることができます。
集中力・知性・決断力・努力と勇気が人生には必要です。
イエス様が捕らえられ、大祭司の尋問を受けるまで、ペテロはヒットを打ち2塁3塁まで進んでいました。
でも彼はホームを踏めませんでした。
努力が足りなかった、勇気が足りなかったのです。
大祭司はイエス様に「あなたは人々に何を話したのか? 何を教えたのか?」と質問しました。
彼はイエス様の教えについて知っていました。
だから聞く必要もありませんでした。
イエス様の答えの言葉尻を捉え、上げ足を取ってやろうと思っていたのかもしれません。
イエス様はそんな大祭司を見透かして「なぜあなたは私に尋ねるのか。私が何を話したかは聞いた人々に尋ねればいいではないか」と言いました。
イエス様の言い分はもっともです。
ところで神様は本当に不思議なことをなさいます。
ちょっと違った角度からイエス様の話を聞いた者に質問をしているのです。
ペテロを見かけたことのある人が、大祭司の中庭で焚き火に当たっていたペテロに、「あなたはあの人の弟子じゃないの?」と尋ねています。
そう。
ペテロならイエス様がどんな教えを話されたか良く知っていました。
答えることができたはずです。
ところがペテロは「あんな人は知らない」と言ったのです。
彼はこの時、せっかく3塁まで進んでいたのにホームへ戻ってくる勇気がありませんでした。
戻るチャンスは3度あったのに、戻ろうという努力をしませんでした。
私たちの人生も努力が足りない、行動に移す勇気がないということがあります。
でも神様はそんな失敗者にも、何度もホームへ戻るチャンスを与え続けてくださいます。
ペテロも十字架のあと、勇気を得てホームを踏みました。
失敗しても勇気を持ってチャレンジし、ホームを踏みましょう。