【神の声を聞き分けろ】
《 使徒の働き 27章14-22節 》
パウロはローマへ連行されるために船を乗り継ぎ、地中海東部(現在のトルコ・ギリシャ)の南に位置するクレテ島(クレタ島)の南岸中央部にある「良い港」というところまで来ていました。
クレテ島は大きな島で、およそ8800平方kmあります。
静岡県が7700平方㎞ですから、その大きさがわかると思います。
この港で、パウロは神に示されたのでしょう、「この先の航海は危険なのでここにとどまろう」と告げます。
しかしパウロを連行するローマの百人隊長は航海士たちの「大丈夫」という意見と彼らの経験を信じて、クレテ島の西岸にあるピニクス港を目指します。
「良い港」から「ピニクス」まではおよそ200㎞ほどの航海です。
船が出帆して間もなく、ユーラクロンという暴風が吹いて船を襲います。
ユーラクロンとはクレテ島の高い山から南の海に吹き降ろす暴風のことで、時には船を対岸のアフリカまで押し流してしまうことがあったそうです。
航行する船は今でもこの暴風を恐れるのだそうです。
私たちはなかなか神様の声を聞き分けることができません。
どうしても自分の知恵や知識に頼り、経験や体験を信じ込んでしまいます。
神様の声は、人間の知恵とは違った形であらわされます。
何が、どれが、神の声なのか、霊的に研ぎ澄まされて聞き分ける必要があります。
祈り、聖書のことばに常に触れていることが大切です。
そして乗り合わせた人々を死の恐怖に陥れます。
そんなとき、パウロは再び神の声を人々に告げます。「すべてを失うこんな状況でも、誰一人いのちを失う者はいない。失われるのは船だけです」と。
パウロのローマ行きは神のご計画ですから、パウロはこんなところで自分が命を落とすはずがないと思っていたでしょう。
彼は神の守りと助けを信じて疑いませんでした。
私たちも神のご計画によって神に用いられる器です。
どんな困難も、神が守り、助け導いてくださることを信じて歩みましょう。