【一人じゃない】
《使徒の働き 28章23-31節》
パウロの後半生はイエスキリストとともに歩む、新しい世界冒険旅行でした。
毎日新しい発見、新しい出会いがあり、何が起こるかわからないドキドキワクワクの日々でした。
不安や恐れもあったでしょうが、期待と希望にあふれ喜びに満ちた楽しい日々であったと想像できます。
ダマスコの途上、まばゆい光の中でイエス様と出会い、そしてイエス様にとらえられてから、パウロの人生は「イエス様について証しする」それだけでした。
小アジア、マケドニヤ、ギリシャへ十字架の福音を伝えて、数多くの教会を設立しました。
その後エルサレムで捕らえられてローマへ移送され、約30年間イエス様とともに歩んだ冒険の旅は終わりを迎えようとしていました。
イエスキリストが神の御子であり、私たちの魂の救い主であることは、ユダヤ人が神の言葉として大切にする旧約聖書に明らかに示されています。
しかし神の民ユダヤ人は、その神の言葉を読むだけで信じることができませんでした。
パウロは、その神の言葉の確かさは異邦人によって証明される、とイザヤの預言から語りました。
パウロは歴史に残るキリスト教伝道者であり、キリスト教を全世界に広めた最高の功労者と言われています。
大事をなそうとしたわけでなく、「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えよ」(マルコ16:14-18)というイエス様の教えに忠実に従っただけでした。
彼の後半生30年間は辛く苦しい日々の連続でした。で
も前半生よりはるかに充実した楽しい時期でもありました。
使徒の働きは、パウロ自身が人生において追い求め達成できたことを裏付けるように、「大胆に少しも妨げられることなく神の国を宣べ伝え、主イエスキリストのことを教えた」(31節)と結ばれています。
このあとパウロはローマで無罪放免となりましたが、皇帝ネロの時代にキリスト教弾圧により火刑になったとされています。
ルカはそこまで記していませんが、勇敢に殉教したことを記しました。
パウロをイエス様のように高める必要はなく、パウロがイエス様の教えに忠実に従うしもべであったという事実を伝えたかったのでしょう。
大きなことを成し遂げる必要はないのです。
私たちも忠実な神のしもべとして生きることを心がけたいと思います。