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【オバデヤ書 5-12節】
ー他人の災難を喜ぶなかれ!ー
旧約のオバデヤ書は、ホセア・ヨエル・ヨナ・ミカ・ナホム・ハバクク・ゼパニヤ・マラキとともに12小預言書に分類されます。
なかでも最も短いのがオバデヤ書です。
この書は預言者オバデヤにより南ユダ王国エルサレム陥落のころに記されたと考えられています(紀元前586年ごろ)。
この預言者オバデヤについてはほとんど情報がなく、どんな人物だったのかはまったくわかっていません。
彼はユダヤ王国の都エルサレム陥落というユダヤ人の不幸を黙って見過ごすテマン人を厳しく断罪します。
テマン人は死海の南に南北150km、東西80kmに渡って広がるエドムという地域に住む人々で、自分の長子としての祝福の権利を双子の兄弟ヤコブに奪われた兄、エサウの子孫です。
エサウの息子の名がテマンだったため、エドム人と呼ばれたりテマン人と呼ばれたりしていました。
テマン人はバビロンに侵略されるユダ王国の災難を見過ごしただけでなく、バビロンに加担してバビロンに襲われたユダヤの人々に追い打ちをかけるようにユダヤ人を襲い、持ち物を奪い取りました。
オバデヤは、先祖をたどれば親戚なのに戦乱に乗じて鬼畜とも言える仕打ちでユダヤ人を苦しめたテマン人を神が赦すはずがないと非難しました。
私たちは災難に遭う人々に対し、傷口に泥を塗るようなことがあっては絶対になりません。
災いに遭っている人々の状況を喜ぶなどとはもってのほかです。
辛く苦しい経験をする人々には、寄り添って傷みを共有しその傷を、痛みを、取り去ってあげられる人になりましょう。
災難は、明日は我が身に降りかかるかもしれないのです。
神は愛や優しさに溢れています。
私たちも愛に溢れる人になりましょう。慰めといやしで対応できる人になりましょう。