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《ヨハネの福音書 4章1-9節》
【愛は予定を変える】
イエス様がバプテスマのヨハネより弟子を多く引き連れ、数多くの人々に悔い改めのバプテスマを授けているという情報がパリサイ派の人々の耳に入ると、イエス様はユダヤを去って再びガリラヤへ向かいました。
ヨハネの弟子たちは同じ情報を聞きイエス様とその弟子たちに嫉妬心を抱きましたが、パリサイ派の人々は憎しみを抱きました。
自分たちの立場を脅かす存在と思ったのでしょう。
面白いことに、イエス様ご自身は水のバプテスマを授けておられなかったと2節にあります。
考えてみれば、水のバプテスマは聖霊のバプテスマの象徴的儀式とも言えますから、聖霊のバプテスマを授けるイエス様がなさる必要性がありません。
イエス様は、水のバプテスマが信仰においてさして重要とは考えていなかった、ということも分かります。
聖餐式はイエス様ご自身が定められましたが、洗礼式についてはイエス様は言及していません。
心で信じることを重要視しておられたのです。
そして救い主を必要とするできるだけ多くの人々へ福音を届けることが、ご自分の使命であると考えておられました。
当時ユダヤからガリラヤへ向かうとき、ユダヤ人は通常、サマリヤを避けて旅をしました。
しかしこのとき、イエス様は「サマリヤを通って行かなければならなかった」(4節)とあります。
大切な働きのために、いつもはやらないことをやる必要があり、サマリヤへ向かったのです。
そしてサマリヤのヤコブの井戸で休息をとっている時、一人の女性との出会いがありました。
この女性のため…この時代に人権すら与えられていなかった女性、しかもユダヤ人の毛嫌いするサマリヤ人のために、予定を変えたのです。
つつがなく計画通り、習慣通りにものごとを進めるよりも、たった一人の人のために予定を変える勇気。
それこそが愛ある人の行動です。