ー賢い羊は羊飼いを見分けるー
今日の聖書のことばは「良き羊飼いのたとえ話」と呼ばれて親しまれています。
このたとえ話を正しく理解するために、まずはパレスチナの牧羊を正しく知る必要があります。
ユダヤ教でいけにえとして羊を捧げるため、ユダヤ人は羊肉をよく食べるのではないかと思われがちですが、羊肉を食べるのは祭りなどの特別な時だけです。
普段は鶏肉と牛肉が主な肉料理です。
ですからパレスチナの牧羊は食肉のためではなく羊毛を取るための牧羊でした。
またパレスチナの牧羊には牧羊犬は存在しません。
人間の羊飼いだけが羊の面倒を見るのです。
ですから時には羊飼いは外で羊と一緒に寝ることもありました。
羊には一匹一匹名前がつけられ、何年も一緒にいることがあります。
通常、昼間は草を食むために表へ出され、夕方には牧柵の内側に集められて夜を過ごします。
出入り口は一つしかなく、その出入り口に羊飼いが横たわって羊の番をします。
羊も人も門に横たわる羊飼いを飛び越えなければ出入りできません。
もちろん出入り口以外から柵を乗り越えて入るものは泥棒に他なりません。
羊たちは羊飼いと一緒に生活していますから、その声を聞き分けます。
羊にとって、羊飼いと共に柵の中にいる限り、暗闇の中でも安全に守られます。
羊たちにとって出入り口に横たわる羊飼いは、まさしくいのちの門なのです。
外には狼などの危険がいっぱいです。羊飼いが羊の命を守ってくれるのです。
私たちにとっても、私たちの生きるこの世の中は危険がいっぱいです。
羊飼いであるイエス様に守ってもらわなければ、盗まれ、殺され、滅ぼされることもあるでしょう。
危険に合わないため、イエス様の声を聞き分けてしっかりとイエス様に結び付いていることです。
イエス様は責任を持って私たちを導いてくださる、良い牧者です。