《クリスマス礼拝》
〜すべての人の救いのために〜
ルカの福音書 2章 8-20節
8)さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。 9)すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。 10)御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。 11)きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。 12)あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」 13)すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現われて、神を賛美して言った。14)「いと高き所に、栄光が、神にあるように。15)御使いたちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼いたちは互いに話し合った。「さあ、ベツレヘムに行って、主が私たちに知らせてくださったこの出来事を見て来よう。」 16)そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉おけに寝ておられるみどりごとを捜し当てた。 17)それを見たとき、羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを知らせた。 18)それを聞いた人たちはみな、羊飼いの話したことに驚いた。 19)しかしマリヤは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。 20)羊飼いたちは、見聞きしたことが、全部御使いの話のとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
地の上に、平和が、
御心にかなう人々にあるように。」
* * *
新約聖書の4つの福音書のうち、マルコとヨハネの福音書はイエス様の誕生についての記述はありません。
マタイとルカの二人が救い主イエス様の誕生にまつわる記述をしていますが、その内容はそれぞれ違います。
マタイが東方の博士たちの救い主参拝を描いているのに対し、ルカはパレスティナに暮らす羊飼いたちが救い主を詣でる様子を描いています。
東方の博士たちとは知識人であり、彼らが生まれたばかりの救い主に捧げた贈り物からも分かるように、社会的地位のあるお金持ちでした。
一方羊飼いは、当時礼拝もせず聖書の教えも知らない無教養な人々と考えられ、動物を素手で触る汚れた人々と考えられ、町のコミュニティーとは隔てられた貧しい人々でした。
相反する立場にある人々を中心に描かれる救い主誕生のエピソードを見るとき、救い主はあらゆる人々のために、すべての人々のために誕生したのだということがわかります。
救い主イエス様は、私のために生まれてきてくださったと同時に、私とは縁ほど遠い、私と馬が合わない人々のためにも生まれてくださったのだとわかります。
イエス様誕生の時、ローマ帝国には「人口調査」の皇帝勅令が出ていました。
住民登録をするため、ローマ帝国中の国民大移動で多くの人々が旅をしている中、羊飼いたちはかわらずにいつもどおり羊を追っていました。
羊飼いたちは住民登録の対象になっていなかったからです。
そんな数にも入らない人たちのもとへ、神様はまず最初に「救い主誕生」のニュースを届けてくださいました。
人々からは無信仰で無教養とさげすまれていた人々。
ところが彼らには信仰がありました。
礼拝をしていたことも聖書を読んだこともなかったかもしれない人々でしたが、神をあがめ賛美することができたのです。
「誰が〝信仰的〟か」などと、人間が判断するものではありません。
神はすべての人々に、平等に救いを届けてくださいます。
喜びをもって心から讃美と礼拝を捧げましょう。
〜すべての人の救いのために〜【ルカの福音書 2章8-20節 】