《士師記4章1-10節》
【おばちゃんをバカにするな!】
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きょうの聖書のことばは、カナンの地に入植しようとするイスラエル人を20年間に渡り苦しめた先住民であるヤビン王の誇る強力な軍隊に、女預言者デボラと士師バラクが挑むいきさつが描かれています。
ヤビンの軍隊は戦車900輌を持っていたと書かれています。
「戦車」とは馬車のことです。当時の戦争では強力な武器であり相手にとっては大きな脅威でした。
イスラエルは苦しめられ、軍隊も戦えば大敗の繰り返しで、できれば戦いたくない相手でした。
勇敢だった士師エフデもすでに亡くなり、エフデの後継者であるバラクはヤビンの軍隊に怖気づいていました。
しかし怖気づいて戦わなければ、神の約束の地で安住することはできません。
でもバラクには勇気がありません。
そんなイスラエルの膠着状態を動かしたのはひとりの主婦でありおばちゃんでした。
ラピドテという人の妻で女預言者のデボラが、バラクを呼び寄せてこう言います。
「イスラエルの神様、主はこう命じられたではありませんか。『ダボル山に進軍せよ。ナフタリ族とゼブルン族のうちから一万人を取れ。私はヤビンの将軍シセラとその戦車と大軍をキション川のあなたのところに引き寄せ、彼をあなたの手に渡す』と」。
信仰という点でデボラはバラクよりはるかに強く、またイスラエルの安住のためという使命感も、軍人であるバラクをはるかにしのいでいました。
デボラは女預言者で優れた女性でしたが、ひとりの主婦でもありました。
どうも夫はあまり頼りにならない人のようで、その名前ラピドテとは「くすぶる燈火」という意味でした。今にも消えそうな存在だったのかもしれません。
夫が頼りないために妻であるデボラが強くなったのかもしれません。
一主婦であっても、強い信仰を持ち、正義を持ち、公益のため信念をもって立ち向かうなら、将軍や軍隊をも動かすことができます。
「オバちゃんのいうことだから」とか「子どもの言うことだから」と侮ってはいけません。
正しいこと・信仰による発言と行動は、認めなくてはならないのです。