伝道者の書 11章1-6節
1) あなたのパンを水の上に投げよ。
ずっと後(のち)の日になって、
あなたはそれを見出す。
2) あなたの受ける分を七、八人に分けておけ。
地上でどんな災いが起こるかを
あなたは知らないのだから。
3) 濃い雲が雨で満ちると、それは地上に降り注ぐ。
木が南風や北風で倒れると、
その木は倒れた場所にそのまま横たわる。
4) 風を警戒している人は種を蒔かない。
雨雲を見ている人は刈り入れをしない。
5) あなたは妊婦の胎内の骨々のことと同様に、
風の道がどのようなものかを知らない。
そのように、あなたは
一切(いっさい)を行われる神のみわざを知らない。
6) 朝にあなたの種を蒔(ま)け。
夕方にも手を休めてはいけない。
あなたは、あれかこれか
どちらが成功するのか、
あるいは両方とも同じようにうまくいくのかを
知らないのだから。
(聖書 新改訳2017/©︎2017 新日本聖書刊行会)
伝道者の書も箴言と同じくソロモン王によって記されました。
この書の主題となるのは、1章2節の『空(くう)の空。すべては空』の言葉です。
すべてが空しいこの世にあって、どのように最善に生きるか?という問いに対する哲学的解答です。
ソロモンの父ダビデ王は、イスラエル王国の建国にあたり、激しい戦いに明け暮れる苦しみの中で、神を讃美することに喜びを見いだしました。
息子のソロモンは父の築いた王国で富と栄誉と権力に囲まれていました。
贅沢の限りの中で、これ以上の幸福はないと思われる生活の中にあってさえも、
常に繰り返し、「空の空、空しい」と訴えたのです。
私たちは、「人生、どうしてこんなことの連続なのか」「いつまで同じことを続けなくてはならないのか」と嘆きたくなることがあると思います。
努力をしても報われない。
計画通りにものごとが進まない。
そのようなことはいくらでもあります。
希望を抱き、苦労したのに、その結果が失望に終わることもあるでしょう。
単調な毎日。
延々と同じことを日々繰り返していかなくてはならない。
そんな私たちの日々の努力を継続させる力はどこからくるのでしょうか。
それは、いつか必ず見返りがあることを約束してくださる神様を信じることによって、得られるのです。
人の目には夢も希望もないと思えることも、神様は、必ず希望を叶えると約束してくださっています。
6節にあるように、「実を結ぶ種」を私たちは見分けることができません。
ものごとは、私たちの手を離れたところで進んでいきます。
ムダと思えることも、労を惜しまず、神のくださる希望に大いに期待できる人になりましょう。
どんなに大変なことも、面倒なことも、苦にせず行うことのできる人になれるでしょう。
*人名・地名等の表記は最新版の新改訳聖書2017にできる限り則っています
〜【苦しくたって、決してめげない強い心】 伝道者の書 11章1-6節 〜