ダニエル書 8章1-6節
1) ベルシャツァル王の治世の第三年、初めに私に幻(まぼろし)が現れた後(あと)、私ダニエルにもう一つの幻が現れた。2) 私は幻の中で見た。見ていると、私はエラム州にあるスサの城にいた。なお幻を見ていると、私はウライ川のほとりにいた。3) 私が目を上げてみると、なんと、一匹の雄羊が川岸に立っていた。それには二本の角があって、この二本の角は長かったが、一本はもう一本の角よりも長かった。その長いほうは、後(あと)に出て来たのであった。4) 私はその雄羊が、西や、北や、南の方を角で突いているのを見た。どんな獣もそれに立ち向かうことができず、また、それから救い出す者もいなかった。雄羊は思いのままにふるまって、高ぶっていた。5) 私が注意して見ていると、見よ、一匹の雄やぎが、地には触れずに全土を飛び回って、西からやって来た。その雄やぎには、際立った一本の角が額(ひたい)にあった。
6) この雄やぎは、川岸に立っているのを私が見た、あの二本の角を持つ雄羊に向かって、激しい勢いで突進した。
(聖書 新改訳2017/©︎2017 新日本聖書刊行会)
ベルシャツァル王の治世第3年、すなわち世の中はまだバビロニア帝国の時代です。
ダニエルは再び夢で、神様から、これから先の未来の出来事を知らされました。
エラム州のスサとは、ペルシャ帝国の大都市として繁栄した都市で、預言者ネヘミヤもこの町に住んでいました(ネヘミヤ1:1)。
ウライ川はスサの町の近くを流れていた人工の水路のようです。
この場所で、二本の長い角を持つ雄羊が、広範囲にわたってわがもの顔に振る舞う様子が描かれています。
これは、ペルシャ帝国内の2つの主要民族であるメディア人とペルシャ人を意味します。
そしてやがて西方から、一頭の雄ヤギが飛び回るようにやって来て、二本の角を持つ雄羊に向って来て、勢いよく、また激しく、これに走り寄ったとあります。
これはギリシャ・マケドニヤ王国の軍隊を率いたアレクサンダー大王を指しています。
このように、私たちの生きている世界では、次から次へと新しいものが出現します。
新しい権力や、新しいものに私たちは支配されるのです。
でも目の前の出来事に左右され、振り回され、心を動かしてはいけません。
目に映るすべてのものが移り変わっていっても、私たちが信じる神様は永遠不変です。
私たちは常に心の目を、不変の存在である神様に向け、慌てず、落ち着いて冷静に対処することが大切です。
これから世界は、考え方や価値観が大きく変化していくかもしれません。
それでも、私たちの信じる神様と、神様ご自身の価値観は変わりません。
私たちが大切にしようとする愛、思いやり、あわれみ、誠実さ、優しさなどは変わることはないのです。
私たちの生活は、もはやテレビやインターネット、コンピューターに支配されています。
でもそのすべてを許し、支配しているのは神様なのです。
ですから、神様を見上げましょう。
神様に目を向けなければならないことを、忘れてはなりません。
心の視線も不変です。
いつでも神様に目を向けて、日々を歩みましょう。
〜【視線の先にあるもの】 ダニエル書 8章1-6節 〜