第2サムエル記 7章1−11節
1) 王が自分の家に住んでいたときのことである。主は、周囲のすべての敵から彼を守り、安息を与えておられた。2) 王は預言者ナタンに言った。「見なさい。この私が杉材の家に住んでいるのに、神の箱は天幕の中に宿っている。」3) ナタンは王に言った。「さあ、あなたの心にあることをみな行いなさい。主があなたとともにおられるのですから。」4) その夜のことである。次のような主の言葉がナタンにあった。5) 「行って、わたしのしもべダビデに言え。『主はこう言われる。あなたがわたしのために、わたしの住む家を建てようというのか。6) わたしは、エジプトからイスラエルの子らを連れ登った日から今日まで、家に住んだことはなく、天幕、幕屋にいて、歩んできたのだ。7) わたしがイスラエルの子らのすべてと歩んだところどこででも、わたしが、わたしの民イスラエルを牧せよと命じたイスラエル部族の一つにでも、「なぜあなた方はわたしのために杉材の家を建てなかったのか」と、一度でも言ったことがあっただろうか。』8) 今、わたしのしもべダビデにこう言え。『万軍の主はこう言われる。わたしはあなたを、羊の番をしていた牧場から取り、わが民イスラエルの主君とした。9) そして、あなたがどこに行っても、あなたとともにいて、あなたの前であなたのすべての敵を立ち滅ぼした。わたしは地の大いなる者たちの名に等しい、大いなる名をあなたに与えてきた。10) わが民イスラエルのために、わたしは一つの場所を定め、民を住まわせてきた。それは、民がそこに住み、もはや恐れおののくことのないように、不正な者たちも、初めのころのように、重ねて民を苦しめることのないようにするためであった。11) それは、わたしが、わが民イスラエルの上にさばきつかさを任命して以来のことである。こうして、わたしはあなたにすべての敵からの安息を与えたのである。
(聖書 新改訳2017/©︎2017 新日本聖書刊行会)
「イスラエルの国家が安定し、王も立派な宮殿に住めるようになったのに、神の契約の箱がいまだ天幕に安置されているのでは神に申し訳が立たないのではないか」
という助言を受けます。
ダビデは信仰者です。
イスラエルが発展できたのは、唯一まことの神の恵みであると知っていましたから、ダビデの心にも神殿建設という思いがあったでしょう。
ところがその夜ナタンに神のみ告げがありました。
神は
「エジプトからイスラエルの民を導き出し、荒野を導き、約束の地でイスラエルの民が平安の日を得るまで、わたしはずっと天幕で礼拝を受けてきた。その間、ただの一度も、『なぜ私のために神殿を建てないのか』と言ったこともない。今後もあなたがどこへ行こうと、私はあなたとともにおり、あなたがたの住む場所を私が整える」
と言われたのです。
現代でも人間は、神のために立派な会堂を建てて、そこで礼拝しようと考えます。
しかし、〝神〟が私たちの住むべき場所を与え、整えてくださるのです。
私たちが神様の住処(すみか)を心配する必要はありません。
神様は、私たちに何かをして欲しいなどとは思っておられないのです。
むしろ、私たちのために必要なものを整えようと、心配して下さっているのです。
〜【心配ご無用】第2サムエル記 7章1−11節〜